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東京高等裁判所 昭和46年(ラ)343号 判決 1971年10月20日

抗告人 東洋海事工業株式会社

右代理人弁護士 石川義郎

相手方 小出たつ

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

抗告人は、「原決定を取消す。相手方の申立を却下する。」との裁判を求め、その抗告理由は別紙のとおりである。

抗告人の抗告理由一および補充書記載の主張は、後記借地権消滅の点を除き、いずれも原決定が本件土地の借地権につき堅固建物の所有を目的とするものに変更することを相当と認めた判断の不当を攻撃するものであるが、本件記録によれば、原決定がその説示する理由によって右のごとく判断したのは相当であり、抗告人の上記主張はいずれも右上記判断を左右するに足らず、結局その理由がない。次に抗告人は、抗告理由一の(三)の(2)において新たに、本件土地の賃貸借は同地上建物の朽廃により消滅した旨主張しているが、右事実はこれを認めるに足る資料なく、むしろ一件記録によればいまだ朽廃していないことを認めうるから採用の限りでない。次に抗告人は、抗告理由二において原決定における付随処分の不当を主張するが、原決定は借地条件の変更による借地権価格の増大の要素のほかに借地期間の延長により抗告人が受ける不利益をも考慮し、これらを総合して更地価格の一二%を以て相手方に命ずべき一時給付金の相当額と決定したものであり、右判断は相当であるから、抗告人の右主張も理由がない。

よって本件抗告はこれを棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 中村治朗 裁判官 鰍沢健三 鈴木重信)

<以下省略>

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